昨日、「今度ゆっくり話を聞いてよ」と地元の先輩から相談をいただきました。お子さんが通っている学校での学級崩壊の相談でした。詳しい話は今度ということで、具体的にはまだ伺っていませんが、何度か世田谷区の児童相談所に掛け合ってみたものの動いてもらえず、学校も困っているとのこと。

こうしたお話は年に数回伺います。時には教員の行き過ぎた指導についてであったり、ひどい学級崩壊(とその原因となっている児童生徒)についてです。

世田谷区に児童相談所を東京都から移管して1年。果たして機能しているのか、検証が必要だなぁと思っています。機能だけ移管しても、区民にとって有益でなくては意味がありません。

都内の児童相談所は常にパンク状態にありながら、その対応件数は年々増加の一途です。家庭環境が影響すると言われますが、コロナ禍の長期化により、所得が減少した家庭も増えたり、雇用も不安定になりつつあります。ひとり親世帯からも教育や育児を支えるためのお金についての悩みの声をいただくことも増えています。

今年の2月になりますが、先輩からお薦めいただきある映画を観てきました。

映画「ひとくず」:https://hitokuzu.com/

こちらの映画は児童虐待が話の軸となり、様々な人間模様が痛いほど赤裸々に描かれています。私自身は不器用ながらも愛情いっぱいの家庭に恵まれたので、知識としてDV・家庭内暴力などのことは知ってはいても、その痛みや葛藤をリアリティとしては十分持っていません。

この映画はそうした私にも、十分その痛みが伝わるものでした。

児童虐待問題を考えるには、相談所の体制強化は重要ですが、まずは家庭の不安定さを少しでも支える経済支援も不可欠です。いくら親身に相談に乗ったところで、経済不安、将来不安のままではやはり子供にその刃が向くかわかりません。

また、中には性的虐待も含まれます。家庭という外からでは見えにくい環境の中から子供がアラームを少しでも出しやすいツールを用意することも不可欠です。

ある1つの政策で解決には至りませんが、できる限りきめの細かな施策を組み合わせながら、子供に温かな温もりが伝わるような社会であるように、考えて行きたいと思います。